静寂の中で食するひと皿の焼飯

京都・祇園『盛京亭 』<中華>

京都の祇園で、
潔いシンプルさに頭が下がる中華料理店があります。

勝新太郎さんや緒形拳さん
名だたる歌舞伎役者や文学者も足繫く通ったお店「盛京亭」です。

観光客が行き交う四条通りを東へ進み、
八坂神社の姿がはっきり確認できたあたりで、
頭上には見逃してはならない看板が。
恐る恐る通りを入ると、ようやくお店の入り口が見えてきます。

京都には「路地(ろうじ)」と呼ばれる比較的大きな通りに囲まれたエリアに
ひっそり佇む細い小路がたくさんあります。
このあたりにも無数の路地や、通り抜ける事の出来る「図子(ずし)」があり、
そこには洛外の人間を寄せ付けない空気感が漂います。
ここの路地も入っていくには中々勇気のいるポイント・・・

ここでいただく中華は、メニューはいづれもシンプル。
変化を嫌うものなのか、
ある場所にたどり着いた境地からなのか・・・
入り口からすでに計り知れない緊張感が漂います。

この日はカウンターに座ったのは食べ之助たち2人だけ。
寡黙な店主が時折カウンターで
注文について話をしている我々に目をやる。
それ以外、静かな店内には何も起こらない。
こんな不思議な時間がただただ過ぎていきます。

今回、食べ之助が注文したのが
潔く・・・「焼飯/880円」!どうだ。
と言いつつ、そこは人間弱い。
相方の「サービスランチ/1,290円」にすかさず熱視線☆

店主が調理を始めると
こちらにもさらに不気味な緊張感が立ち込めてきます。
手際もよくすぐに料理は運ばれてきました。

これでもかと言わんばかりの
THEパラパラ焼飯。
そして相方のサービスランチに付いてくる肉だんごは
上品に生姜がきいていて美味しい!
肩肘を張らない唐揚げも、卓上の塩を少しふりかけていただきます。
ニンニクなどのアクの強い調味料に頼らず
余計なことはしない、そんなプロの仕事ぶりが
垣間見られるひと皿。

お値段は土地柄なのか
少しお高め。
昭和の京都で、数々のスターが舌鼓をうった京風中華、
一度足を踏み入れてみませんか。

盛京亭
京都市東山区祇園町北側263
075-561-4168
京阪電車 祇園四条駅 徒歩約5分/
阪急電車 河原町駅 徒歩約8分

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