職人イタリアンの逸品は無言でね

大阪・北新地『イル・ペペ』<イタリアン>

大阪の夜の繁華街・北新地ランチのコスパの良さは
間違いなく世界屈指。
夜は関西の政財界の要人が集う高級料理店も
ビックリする価格でランチタイムを楽しませてくれる
そんな穴場なランチスポットなんです。
今回は、何度か訪れたのにいつもフラれてしまう
人気のイタリアン『イル・ペペ キッチン』さんにおじゃましました。

・ランチの予約不可
・完全2部制
・テーブル7席
つまり、ランチは14名限定で、最初の7名に入れなければ、
次の部まで1時間、猛暑の中ひたすら待つというシステム。
このハードルをくぐりぬけ並んだその時、
食べ之助は・・・4人目。
胸をなでおろすとはこう言う時に使うべきか
とりあえず決まった時間がくるまで雑居ビルの2階
体感温度40℃近くにまでなる階段横で待つことに。

っさ、時間が来ると、中から物凄い寿司職人のような風貌のシェフが登場。
「・・・お待たせしました」
並んでいたお客さんが無言で狭い店内へ。
メニューはひとつ。
こちらは何も声を発せず、
ただただシェフの動きに注目です。

カウンターには、おそらく今から登場するであろう前菜各種が
ズラリと並んでいます。
・・・美味しそう。
岩城滉一風のシェフの所作に注目していると、
ついに1品目の前菜が運ばれてきます。

丁寧に下味の付いた、しっかり食感の残るお野菜が鮮やかな前菜。
特に気に入ったのがオレンジで炊かれたサツマイモ。
柑橘類のさわやかさとサツマイモの甘みは
合わないわけがありません。

暑さもあってかお客さんがゴクゴクとお水を飲むと
料理をしながらも無言でテキパキとお水を追加するシェフ。
笑顔はない・・・緊張が走る・・・
この真剣勝負に食らいつくように
こちらもひたすら食べる事に集中します。

そして運ばれてきたメインのパスタ。
「カツオと九条ネギのトマトソース」
なかなかのボリュームです。
太めのパスタには大きくカットされた
九条ネギの風味がONされ、
ミンチ状になったカツオの旨味をサポート。
最後は具があまってしまい
香ばしく焼かれたバケットにのせて食べるという
おまけの幸せも。

お腹もふくれた頃、
最後まで勝負師の顔を崩さないシェフから
なんだか乙女ちっくな1品が・・・。
フレッシュなメロンやスイカ、オレンジに
パンナコッタ風のクリームがのったプチデザート。
ん~っ!美味。

食べ終わった人からどんどんお皿を引いて
忙しそうに次の作業にとりかかるシェフ。
思い切って最後に声を掛けてみた。

「前菜にのっていたサツマイモ、味は何の柑橘類だったでしょう~」
すると
「オレンジですよ。オレンジで時間をかけて煮込んでいるんです」
「すっごく美味しかったです」と言う食べ之助に
・・・ックっと、ニヒルに笑ってみせたシェフ。

職人の作る料理、
黙って食べればいいんですよね、黙って♪

この満足感で1,080円・・・安い。
タイのリゾート地で食べたパスタ、もっと高かったよなー。

イルペペ
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-4-7 小西ビル2F
06-6345-7377
JR大阪駅・各梅田駅 徒歩約8分
JR北新地駅 徒歩約3分

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